2010年09月19日

コルドン日記〜最後のプラティック〜

★10月のレッスン情報をこちらにアップしてありますので、生徒の皆様はご確認下さいね★

新しいこのブログの存在が分かりにくくて、なかなか皆様からメールが届かないので、締め切り日を9月24日(金)に延長しました。
御参加日の決定は9月27日or28日あたりにずれ込むかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。


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昨日は、コルドンブルーの最後のプラティック(実習)の日でした。

6時に起きて、今日実習するお料理のレシピをPCでまとめてから学校に向かいました電車

(※コルドンブルーではレシピは配布されません。
配られるのは材料表だけで、シェフのデモンストレーションを見ながら自分たちでメモを取るのですが、そのデモンストレーションは前菜・メイン・デザートの3品を同時進行ですので、メモを取るので必死で、私のノートは殴り書き状態あせあせ(飛び散る汗)
ですから、家に帰って、頭の中を整理し直して、いかに効率よく調理できるかを考えながら、自分でレシピを起こします。
このレシピ作成に1〜2時間はかかります。。。)


行きの電車電車の中では、いつも手順を頭に叩き込むようにしながら、まとめたレシピも見返すのですが(まるで試験期間中の学生のようですね!)、昨日は「一言メッセージ」(修了式でディプロマを授与する時にひとりひとりを紹介するための自己紹介文だそうです)の締め切り日だったので、揺れる電車の中で、まずはそれを書いて、それからざっとレシピを見直しました。

学校ビルに到着すると、その「一言メッセージ」の紙をスチューデントサービスに提出。

コックコートに着替えて、ロッカーからmy包丁セットなどのお道具を取り出していると、今日のプラティック担当のBシェフが通りかかりました。

「シェフ〜、もうすぐ終わりなんて、なんだか寂しいよ〜。今日はよろしくね!」と言うと、「な〜に、言っているの〜?」とフランス語訛りの日本語で答えながらも右手を差し出してくれたので、大きな手とがっちりと握手!

このBシェフ、「下町のおっちゃん!」と言った感じのとっても気さくでフランクな方なのですが、ミッテラン大統領と昭和天皇の晩餐会のディナーを担当したり、「日本在住のフランス人シェフの会」の会長を務めたり、パッションで毎年開催される「カスレの会」では駐日フランス大使の正面に座っていたり・・・・・・と、日本のフランス料理界の重鎮のようなスゴイ方なのです。

お料理の腕もさることながら、その気さくなお人柄が一番の魅力♪

そして、奥様のことを「女房が・・・」とか「家内が・・・」とかおっしゃるほどの日本通です。

このシェフが赴任してらしてから、私のコルドン生活は何倍も楽しいものになった気がしますわーい(嬉しい顔)

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さて、昨日のプラティックでは、「ラングスティーヌ入り、ブレス鶏のソテ、リコッタ風味のニョッキ」を作りました。

こちらのブレス鶏(↓)が1人一羽配られました。

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一羽7000円もする高級鶏を捌いて調理するなんて、きっと一生に一度のこと!?

この鶏を、もも肉、手羽中、胸肉、ガラ・・・と捌いていき、それぞれを形よく調えます。

予想通りに難航して、この解体作業に50分ほどかかりました。

そして、捌いた鶏肉をソテーしてからオーブンで煮込み、鶏のガラとラングスティーヌの殻でだしを取り、それを煮詰めて生クリームやバターを加えてソースを仕上げます。

リコッタチーズのニョッキを作り、ラングスティーヌ(手長海老)のソテーを添えて出来上がりです。

「高級で手の込んだ、鶏肉のクリーム煮込み」と言ったところでしょうか?

私がシェフが提出したお皿はコチラです(↓)

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さて、シェフの評価は・・・・・・?

開口一番に「可愛い!綺麗!」

「えっシェフ、それってもしかして私のことかしら〜?と図に乗ってみせると、

「そりゃあ、いづみさんももちろんだけれど、お皿への盛りつけが可愛くて、綺麗!

「ソースが煮詰まりすぎて、少ししょっぱくなっちゃたかな?」

「そんなことないよ〜、大丈夫!
鶏肉のアセゾネ(味付け)もキュイソン(火入れ)もオッケー。
ラングスティーヌのキュイソンもオッケーだし、こういう風に出来たら、もう何も言うことはないね〜。
パーフェクト!完璧!」
とまるで鼻歌を唄うように言うので、
本当かどうか心配になって、
「今日は駄目なところはひとつもない???」と確認すると、
「強いて言えば、もうひとつぐらいニョッキをお皿に載せると良かったね。鶏肉とのバランスからするとその方がいいよ」とのこと。

ここ3カ月ぐらいはだらけ気味で、予習もせずにプラティックに臨んでいましたが、最後のプラティックが高評価で、本当に良かった!わーい(嬉しい顔)

最後にダメだしばかりされたら、後味が悪いですものね〜。

クラスメートもうまく出来ていたみたいで、
「来週の卒業試験もみんなこの調子で頑張ってね〜」と、また鼻歌を唄うように言いながら去っていきました(笑)

普段は午後には来週に実習するお料理のデモンストレーションの授業があるのですが、来週は卒業試験で、それぞれがオリジナルレシピの料理を作るので、今日の午後はデモンストレーションの授業はありません。

いつも午前10時〜午後5時までの授業なので、午後がないとなんだかとっても変な気分です。

それと同時に「本当にもうすぐ卒業で、来週はいよいよ卒業試験なんだな」と実感・・・。

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午後はクラスメートと「海苑」でランチをしながら、来週の卒業試験の作戦会議!

こちらのお店は落ち着いたインテリアで、ゆったりとしたい時にはお奨めです。

休日のランチは混み合う代官山の穴場店でもあります。

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汁なし担々麺

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蒸し点心セット

来週は、それぞれが全く違う料理を作るので、オーブンやフードプロセッサーを使う時間がバッティングしないか調整したり、「提出時間の30分前には盛りつけに入らないと間に合わないから、頑張ろうね!」と励まし合ったり・・・。

女子大生のクラスメートの、可愛いHちゃんも一緒です♪

Hちゃんは私より20歳以上も若いので、同世代のクラスメートと一緒に「結婚&出産が早かったら、娘でもおかしくないよね〜」と盛り上がりましたグッド(上向き矢印)

クラスメートと別れた後は、渋谷でお花&和菓子を調達して、オットの母の家家へ♪

ちょっと早い「敬老の日」のご挨拶と言ったところです。

渋谷から電話して「これから行きま〜す!」と言ったら、家家の前に出て待っていてくれました。

お花はフラワーアレンジメントと鉢物と迷った挙げ句に、鉢物(↓)を選んだのですが、「これちょうど昨日テレビで見てどんな花かしら?と思っていたところなの。いい香りね〜」と気に入ってもらえたようでした。

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8月に一緒に歌舞伎を見に行って以来1ヶ月のご無沙汰でしたが、変わらず元気そうで何よりでしたわーい(嬉しい顔)

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家に帰ってからオットに「Bシェフに完璧!パーフェクト!って言われた料理よ〜」と持ち帰った料理を鼻高々に食べさせ、テレビを見ながらくつろいでいると、9時頃に宅配便で「イトヨリ」が!

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来週の試験の練習用にコルドンのクラスメートのMさんが市場で手配してくれた「イトヨリ6尾」です。

1時間ほどかけ、フランス式に3枚に卸してから、冷蔵庫へ。
(※レッスンでもお伝えしていますが、魚は内臓がついていると鮮度が落ちやすいですので、鮮度を保つ為には、購入したらすぐに内臓を抜いてくださいね!)

そして、深夜12時頃になってから来週の試験のプレゼンテーション(盛りつけ)を考え出したら、頭が冴えてしまって、結局眠りについたのは、3時過ぎ・・・。

長い一日がやっと終わりました。。。眠い(睡眠)


posted by いづみ at 15:37| Comment(0) | コルドン日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月11日

コルドン日記〜記念撮影♪〜

2年間に渡って毎週土曜日に通い続けたコルドンブルーとももうすぐお別れです。

プラティック(自分たちが作る実習)は、今日と来週の2回&再来週の卒業試験ふらふら
そして、デモンストレーション(シェフがお手本を作って見せてくれる実演)は、今日が最後・・・。

大変なこともありましたが、
このコルドン生活が終わってしまうとなると、ホッとするような寂しいような、複雑な気分です。

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今日のプラティックは「ポトフー仕立ての牛フィレのフィセル」

フィセルとはフランス語で「糸やたこ糸」のことで、
食材にたこ糸をかけてポッシェする(茹でる)調理方法のことを言います。

もう少し詳しく説明すると、
500gほどある牛フィレ肉を開いて1枚にして、
そこに茹でたほうれん草を貼り付け、ソテーしたマッシュルームを敷き詰めて、
ロールケーキの要領でクルクルと巻きいて、たこ糸をかけます。
それをビーフブイヨンの中でコトコトと茹でて、輪切りにし、
別茹でしたガルニチュール(付け合わせ)の野菜と共に盛りつけ、
ビーフブイヨンを注いだお料理です。

ソースはエシャロットとマルサラワインを煮詰め、
そこに生クリーム、粒マスタード、数種類のハーブの微塵切りを加えた、
コクがありながらも少し酸味も効いたソースです。

「超高級なポトフー」と言ったとことでしょうか?

今日のこのメニューは、コルドンの上級クラスにしては、かなり簡単な方です。

コルドンブルーのお料理上級クラスは、一流フランス人シェフお二人が交互に教えてくださいます。

先週のデモで、お手本を作って見せてくれたBシェフ曰く、
「お肉全体が均一なロゼに仕上がればOK!
肉の一部が赤くて、一部が白いっていうのはダメです」


そして、今日のプラティックを見てくれるMシェフは
「採点は、フィセル(肉の糸かけ)がキチンと出来ているか(=出来上がりの肉の形が整っているか)、
手順を自分なりにオーガナイズしながら作っているかを見ます」
とのこと。

コルドンブルーでは毎回2時間半かけて、
一人で1つのお料理を作り上げて、出来上がった人からシェフに提出していきます。

そして、毎回シェフから細かく講評され、採点もされます。

毎回が試験(!?)のようなものです(苦笑!)

私がシェフに提出したお皿はこちら(↓)

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ちょっとお肉のキュイソン(火入れ)が甘くて、中心部が生に近い仕上がりだったので、
もう少しポッシェした(茹でた)方が良かったのですが、
講評&採点してくれるMシェフは「これでもいいよ」と言ってくれました手(チョキ)

点数は分かりませんが、
自分でも納得できる仕上がりではなかったので、
たぶん「そこそこの普通の点」だと思います。

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Mシェフのプラティックは今日が最後。

来週はBシェフです。

そこで、採点の合間を見て、
「記念に一緒に写真を撮って!」と言うと、
「はずかしいわん」と日本語の”おねえ言葉”で照れたふり!?(笑)

でもさすがはフランス人男性!
すぐに腰に手を当てて、しっかりとポーズを決めてくれました。


2010_09130293.JPG
身長が2m以上もある、イケメンシェフ(写真では分からないかもしれませんが・・・・・・笑!)

パリの「ホテルクリヨン」という一流ホテルで働いていて、
そこに「ミクニフェアー」でいらした三国さんに見初められ、招聘されて、
日本にいらしたというエピソードを持つシェフです。

そして、「いづみさん、自分のお皿を持ってきて!」というので、
「でもシェフが採点した後だから、お皿の上はぐちゃぐちゃで汚いよ〜」とお返事すると、
「いいから〜」と。

お皿を持っての2枚目がこちら(↓)

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そして、写真を撮りおわったら、「メルスィー」とシェフ。

「こちらこそ、メルシーボークー、Mシェフ!!!」

2年間お世話になり、ありがとうございました★

コックコート姿でシェフと2ショット写真を撮ったのはこれが初めて!

いい記念になりました♪


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午後のデモンストレーション(シェフがお手本を作って見せてくれる実演=来週の午前中に私たち生徒が作るお料理)は、「ラングスティーヌ入り、ブレス鶏のソテ、リコッタ風味のニョッキ」です。

こちらは「ブレス」というところで放し飼いで飼育されている、
欧州唯一のブランド鶏「ブレス鶏」を使います。

日本だったら、「名古屋コーチン」や「比内地鶏」と言ったところでしょうか?

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この一羽で7000円ほどするとのこと。

足首は青くて、毛は真っ白で、ハンサムな(美人さんの!?)鶏らしいですよ。

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このシルバーの足輪(↑)は美食家の憧れとか・・・★

2010_09130298.JPG

この「AOC」のシールが原産地統制名称。

その他にもシールやラベルなどが沢山ついていて、品質の確かさを物語っています。

この「ブレス鶏」1羽をももや胸、手羽に捌いてからソテーし、
そこにラングスティーヌ(手長海老)のソテーと、
リコッタチーズを使ったニョッキを添えたお料理です。

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ソースはブレス鶏のガラとラングスティーヌの頭や殻からだしを取り、
それを煮詰めてから生クリームで仕上げたもの。

このソースがラングスティーヌを炒めた香ばしさや甲殻類独特の旨味が効いていて、
なかなかおいしいのです!

料理の手順としてはそんなに大変で複雑なものではありませんが、
このブレス鶏は大地を掛け回っている地鶏なので、
普通のブロイラーに比べると筋肉やアキレス腱が発達していて、
そして骨も太くて、捌くのがとっても大変そうな感じですふらふら

以前、ランド鶏を調理した時(こちら)に苦労したことを思い出しました。。。

来週は、提出時間の12時30分ギリギリに提出できればいいかな?

でも、最後のプラティック(実習)なので、
時間内に提出し、そして自分でも納得できるお料理を作りたいものです
exclamation


最初のころは丸々1羽の鶏を見るとドキドキしたものですが、
ウズラや鳩、子羊、ウサギ、活きたオマール海老やザリガニなど、
いろいろな食材で2年間鍛えられたお陰で、
丸々一羽の鶏を見てもなんとも思わなくなりました(笑)。

クラスメートとも「私たちも成長したものだわね〜」とか、
「コルドンは鶏に始まり、鶏に終わるのね・・・」とか言いながら、最後のデモンストレーションを見ました。

コルドンブルーのお料理クラスでは、生徒が実習するメイン料理のほかに、
前菜とデザートの2品もシェフがデモンストレーションで作ってみせてくれます。


もちろん、試食も3品ですわーい(嬉しい顔)

今日の前菜は「ガスパッチョ仕立ての野菜のフォンダン アボカドクリームと帆立貝」

スペインの冷たいスープ「ガスパチョ」をゼラチンで固めてホタテ貝をのせ、
アボカドのクリームを絞ったお料理です。

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上から見るとこういう感じ(↓)

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上にはトマトのスライスを低温で乾燥させたトマトチップスが飾られています。

そして、デザートは「ブルーベリー風味のサブレ」

直径7cmほどのリング型の内側にグラニュー糖をまぶし付けてからサブレ生地を敷き詰め、
アーモンドクリームと生のブルーベリーを載せてオーブンで焼き上げ、
上にブルーベリーのムースをトッピングします。

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このまま手でつまんでパクッと頂いても充分においしそうですが、
お皿に盛りつけ、上にはブルーベリーのムースを乗せて、周囲を生クリームとブルーベリーでおめかしして出来上がりです(↓)

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「サブレ」とは言っても、小さなタルトのようです。

グラニュー糖が溶けてキャラメリゼされたタルトの側面がカリカリと香ばしくて、おいしかったです。

こちらのデザートは、比較的簡単ですので、
ご要望があれば、レッスンメニューにも組み込むことが出来ますよ♪


シェフのデモンストレーションも今日が最後!

もうシェフの素晴らしい包丁捌きや丁寧な仕事ぶりを身近で見られなくなり、
おいしいお料理を試食できなくなると思うと、
今までのコルドン生活の2年間がなんと贅沢な時間だったのか・・・・・・としみじみと思いました。

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そして、今日は午後のデモンストレーションの授業の後に、
筆記試験がありました!


コルドンブルーでは、それぞれのコース(学期)ごとに実技のテストの他にも筆記のテストもあるのです。

筆記試験を受けるのは今日で4回目、そしてこれが最後!

何事も差し迫らないとやる気が起きない私は、
今朝5時半に起きて、一夜漬けならぬ「朝漬け」で勉強して臨みました。

問題は思ったよりも簡単で、
「わざわざ早起きするほどのことはなかったかしら?」とも思いましたが、
引っかけ問題がいくつかあって、それにまんまと引っかかってしまったようです(笑)

コルドン生活も残すところあと2回・・・・・・、
存分に楽しみたいと思います♪
posted by いづみ at 23:55| Comment(0) | コルドン日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする