プラティック(自分たちが作る実習)は、今日と来週の2回&再来週の卒業試験

そして、デモンストレーション(シェフがお手本を作って見せてくれる実演)は、今日が最後・・・。
大変なこともありましたが、
このコルドン生活が終わってしまうとなると、ホッとするような寂しいような、複雑な気分です。
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今日のプラティックは「ポトフー仕立ての牛フィレのフィセル」
フィセルとはフランス語で「糸やたこ糸」のことで、
食材にたこ糸をかけてポッシェする(茹でる)調理方法のことを言います。
もう少し詳しく説明すると、
500gほどある牛フィレ肉を開いて1枚にして、
そこに茹でたほうれん草を貼り付け、ソテーしたマッシュルームを敷き詰めて、
ロールケーキの要領でクルクルと巻きいて、たこ糸をかけます。
それをビーフブイヨンの中でコトコトと茹でて、輪切りにし、
別茹でしたガルニチュール(付け合わせ)の野菜と共に盛りつけ、
ビーフブイヨンを注いだお料理です。
ソースはエシャロットとマルサラワインを煮詰め、
そこに生クリーム、粒マスタード、数種類のハーブの微塵切りを加えた、
コクがありながらも少し酸味も効いたソースです。
「超高級なポトフー」と言ったとことでしょうか?
今日のこのメニューは、コルドンの上級クラスにしては、かなり簡単な方です。
コルドンブルーのお料理上級クラスは、一流フランス人シェフお二人が交互に教えてくださいます。
先週のデモで、お手本を作って見せてくれたBシェフ曰く、
「お肉全体が均一なロゼに仕上がればOK!
肉の一部が赤くて、一部が白いっていうのはダメです」
そして、今日のプラティックを見てくれるMシェフは
「採点は、フィセル(肉の糸かけ)がキチンと出来ているか(=出来上がりの肉の形が整っているか)、
手順を自分なりにオーガナイズしながら作っているかを見ます」とのこと。
コルドンブルーでは毎回2時間半かけて、
一人で1つのお料理を作り上げて、出来上がった人からシェフに提出していきます。
そして、毎回シェフから細かく講評され、採点もされます。
毎回が試験(!?)のようなものです(苦笑!)
私がシェフに提出したお皿はこちら(↓)
ちょっとお肉のキュイソン(火入れ)が甘くて、中心部が生に近い仕上がりだったので、
もう少しポッシェした(茹でた)方が良かったのですが、
講評&採点してくれるMシェフは「これでもいいよ」と言ってくれました

点数は分かりませんが、
自分でも納得できる仕上がりではなかったので、
たぶん「そこそこの普通の点」だと思います。
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Mシェフのプラティックは今日が最後。
来週はBシェフです。
そこで、採点の合間を見て、
「記念に一緒に写真を撮って!」と言うと、
「はずかしいわん」と日本語の”おねえ言葉”で照れたふり!?(笑)
でもさすがはフランス人男性!
すぐに腰に手を当てて、しっかりとポーズを決めてくれました。
身長が2m以上もある、イケメンシェフ(写真では分からないかもしれませんが・・・・・・笑!)
パリの「ホテルクリヨン」という一流ホテルで働いていて、
そこに「ミクニフェアー」でいらした三国さんに見初められ、招聘されて、
日本にいらしたというエピソードを持つシェフです。
そして、「いづみさん、自分のお皿を持ってきて!」というので、
「でもシェフが採点した後だから、お皿の上はぐちゃぐちゃで汚いよ〜」とお返事すると、
「いいから〜」と。
お皿を持っての2枚目がこちら(↓)
そして、写真を撮りおわったら、「メルスィー」とシェフ。
「こちらこそ、メルシーボークー、Mシェフ!!!」
2年間お世話になり、ありがとうございました★
コックコート姿でシェフと2ショット写真を撮ったのはこれが初めて!
いい記念になりました♪
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午後のデモンストレーション(シェフがお手本を作って見せてくれる実演=来週の午前中に私たち生徒が作るお料理)は、「ラングスティーヌ入り、ブレス鶏のソテ、リコッタ風味のニョッキ」です。
こちらは「ブレス」というところで放し飼いで飼育されている、
欧州唯一のブランド鶏「ブレス鶏」を使います。
日本だったら、「名古屋コーチン」や「比内地鶏」と言ったところでしょうか?
この一羽で7000円ほどするとのこと。
足首は青くて、毛は真っ白で、ハンサムな(美人さんの!?)鶏らしいですよ。
このシルバーの足輪(↑)は美食家の憧れとか・・・★
この「AOC」のシールが原産地統制名称。
その他にもシールやラベルなどが沢山ついていて、品質の確かさを物語っています。
この「ブレス鶏」1羽をももや胸、手羽に捌いてからソテーし、
そこにラングスティーヌ(手長海老)のソテーと、
リコッタチーズを使ったニョッキを添えたお料理です。
ソースはブレス鶏のガラとラングスティーヌの頭や殻からだしを取り、
それを煮詰めてから生クリームで仕上げたもの。
このソースがラングスティーヌを炒めた香ばしさや甲殻類独特の旨味が効いていて、
なかなかおいしいのです!
料理の手順としてはそんなに大変で複雑なものではありませんが、
このブレス鶏は大地を掛け回っている地鶏なので、
普通のブロイラーに比べると筋肉やアキレス腱が発達していて、
そして骨も太くて、捌くのがとっても大変そうな感じです

以前、ランド鶏を調理した時(こちら)に苦労したことを思い出しました。。。
来週は、提出時間の12時30分ギリギリに提出できればいいかな?
でも、最後のプラティック(実習)なので、
時間内に提出し、そして自分でも納得できるお料理を作りたいものです

最初のころは丸々1羽の鶏を見るとドキドキしたものですが、
ウズラや鳩、子羊、ウサギ、活きたオマール海老やザリガニなど、
いろいろな食材で2年間鍛えられたお陰で、
丸々一羽の鶏を見てもなんとも思わなくなりました(笑)。
クラスメートとも「私たちも成長したものだわね〜」とか、
「コルドンは鶏に始まり、鶏に終わるのね・・・」とか言いながら、最後のデモンストレーションを見ました。
コルドンブルーのお料理クラスでは、生徒が実習するメイン料理のほかに、
前菜とデザートの2品もシェフがデモンストレーションで作ってみせてくれます。
もちろん、試食も3品です

今日の前菜は「ガスパッチョ仕立ての野菜のフォンダン アボカドクリームと帆立貝」
スペインの冷たいスープ「ガスパチョ」をゼラチンで固めてホタテ貝をのせ、
アボカドのクリームを絞ったお料理です。
上から見るとこういう感じ(↓)
上にはトマトのスライスを低温で乾燥させたトマトチップスが飾られています。
そして、デザートは「ブルーベリー風味のサブレ」
直径7cmほどのリング型の内側にグラニュー糖をまぶし付けてからサブレ生地を敷き詰め、
アーモンドクリームと生のブルーベリーを載せてオーブンで焼き上げ、
上にブルーベリーのムースをトッピングします。
このまま手でつまんでパクッと頂いても充分においしそうですが、
お皿に盛りつけ、上にはブルーベリーのムースを乗せて、周囲を生クリームとブルーベリーでおめかしして出来上がりです(↓)
「サブレ」とは言っても、小さなタルトのようです。
グラニュー糖が溶けてキャラメリゼされたタルトの側面がカリカリと香ばしくて、おいしかったです。
こちらのデザートは、比較的簡単ですので、
ご要望があれば、レッスンメニューにも組み込むことが出来ますよ♪
シェフのデモンストレーションも今日が最後!
もうシェフの素晴らしい包丁捌きや丁寧な仕事ぶりを身近で見られなくなり、
おいしいお料理を試食できなくなると思うと、
今までのコルドン生活の2年間がなんと贅沢な時間だったのか・・・・・・としみじみと思いました。
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そして、今日は午後のデモンストレーションの授業の後に、
筆記試験がありました!
コルドンブルーでは、それぞれのコース(学期)ごとに実技のテストの他にも筆記のテストもあるのです。
筆記試験を受けるのは今日で4回目、そしてこれが最後!
何事も差し迫らないとやる気が起きない私は、
今朝5時半に起きて、一夜漬けならぬ「朝漬け」で勉強して臨みました。
問題は思ったよりも簡単で、
「わざわざ早起きするほどのことはなかったかしら?」とも思いましたが、
引っかけ問題がいくつかあって、それにまんまと引っかかってしまったようです(笑)
コルドン生活も残すところあと2回・・・・・・、
存分に楽しみたいと思います♪